放課後、美香は一人で帰宅した。
いつもは絢と帰っていたが今日は絢は委員会で一緒に帰れなかった。

今日あったことを美香は考えながら歩いていると目の前にみたことある人がいた。

「お兄ちゃん!」

「美香、ただいま」

美香の隣の家に住んでいた6つ年上のお兄ちゃんがアメリカから帰ってきたみたいだ。

「おかえり、お兄ちゃん」

「美香に会えると思わなかったよ」

「なんで!?またすぐアメリカ戻っちゃうの?」

お兄ちゃんは微笑んだ。

「俺、結婚するんだ」

「お兄ちゃんが結婚!?」

「そうだよ。だから日本にはまた当分帰っては来ないんだ。今日戻るよ」

「せっかく会えたのに…」

「結婚式に来てよ」

美香は泣きそうになりながら頷いた。

「ところでお兄ちゃんは今からどこへ行くの?」

「名中の先生に挨拶行く途中に美香に会ったんだよ」

「そうなんだ…また絶対遊んでね!」

「うん。約束だね」

「約束!」

「じゃまたね。美香」

お兄ちゃんと出会いに浸りながら歩いてたらまた前にはみたことあるの人がいた。

「ちょっと今の人誰よ」

七海だった。

「隣のお兄ちゃん」

「かっこいいね!佐々木先生のがかっこいいけど」

美香はムッとした。

「今日どうして始業式出なかったの?佐々木先生もいなかったみたいだけど」

七海の観察力には驚いた。

「天くん…転校生の天くんと話してたの」

「あー大島くん?」

「うん。大島天くん。家が近くて」

「そうなんだ!じゃ美香、また明日ね」

「うん。バイバイ」

七海は美香と別れるとまた学校の方へと戻って行った。きっと七海は始業式のことだけを聞くためにこの道にいたんだろう。

中河公園の前を通るとまた知ってる顔が。
今日の美香は待ち伏せされる運命らしい。