教室には誰もいない。
教室どころか校庭にも廊下にもいない。
みんな体育館に集まっていた。

自分の席で座りながら外を見ていた。

その時

「こら!3年初日からサボるなんていい度胸じゃん」

「和馬!」

美香は立ち上がった。

「ちょっと美香〜サボりな上に呼び捨てだなんてお仕置きだよ?」

和馬はニコニコしながら言った。

「和馬だって私のこと呼び捨てにしたじゃない…」

「確かに!んじゃおあいこだね」

そういうと美香の隣の席に座った。

「和馬…」

「なに?美香♪」

「昨日会えなかっただけなのにすごく会いたいって思えて会ったら会ったで喋りたいって思って…これってなにかな!?」

「お前…本当に可愛いな!」

和馬はそういうと美香を抱きしめキスをした。

二人は顔を見合せ笑いあった。


「二人ってそんな関係なの?」

美香は一瞬七海を思い浮かべたが声の主はものすごく低かった。

「そういう関係って?」

和馬は質問に質問で返した。

「見つめ合って笑う仲。相当親しくないとできないよね?」

和馬と美香はホッとした。

抱きしめてキスをしたとこは見られていないようだ。

「吉井は俺の彼女の友達なんだ。」

和馬の言葉にびっくりしたのは美香の方だった。

男の人は答えた。

「じゃあ吉井さんは僕がもらってもいいんだね」

美香は和馬の言葉よりも驚いた。

そしてチャイムが鳴った…