【完】初恋あめ。

えええっ………!?





予想外のことに、驚きを隠せない。




そういえば、最初の時も、こうやって抱き締めてくれたよね。




正確に言えばあれは受け止めた…か。



「せ、瀬川くん…?」




「……あ!ご、めん。」




温もりがなくなった。




瀬川くんが離れたからか。




もうちょっと、このままが良かったな、とか思ったり。




「私、坂下くんのこと、友達としか見てないの。なのに、噂が流れて、て、どうすれば、いいのかなぁ……。」




瀬川くんになら言っていい気がした。



こんなこと言っても、瀬川くん困るだけか…。




「ごめん!今のなしに…




「じゃあ、さ。それを、坂下に伝えれば、いいよ。それが勇気いるってことは、分かるよ。でも、それを言わないと、何も進まないと思う。俺は。…」




そうだよね。




瀬川くんの、言う通り。




坂下くんを振り回したままじゃ、いけないって、分かってるのに…




うん。




そうしよう。




「私……言う!」