「あ、聞かれて…たの」






頷く守くんの瞳は、どこか切なそうな気がした。




私、ちゃんと返事しないと……




「あのね、私…」




「返事、でちゃった?」




でちゃった?なんて言い方、なんか申し訳ない気持ちになる。




「私、やっぱり隼人くんしかダメみたい、守くんの気持ちは嬉しいけど、それに答えられない。ごめんなさい」





深々と頭を下げ、ぎゅーっと目を瞑る。




ごめんなさい、そんな気持ちをこめて。




「ごめんなさいより、ありがとうの方が個人的にいいんだけど?」





ハハッと言って微笑む彼は、もう切なげな表情は消えていた。