数年前ー
俺たちがまだ、幼稚園だったころ。
ある日、
花はこう言ったんだ。
「っ…ヒック……隼人、ごめん…。隼人の兄ちゃん、花をかばって、死んじゃった、の…ごめん、なさい……」
俺はそれを聞いたとき、何が起こったのか理解できなかった。
兄貴が、死んだ?
まだ小さかった俺は、死ぬ、ということがどういうことか、よく知らなかった。
「ママ、兄貴死んだの?死ぬ、ってなに?」
「…お兄ちゃんはね、も、もう隼人と遊べないの。死ぬっていうのは、天国に行く、ってことだよ」
お母さんは泣きながらそう言った。
「兄貴、もう遊べない?なんで!?なんで…僕の兄貴が…!」
泣いて、泣いて、泣いた。
そして、俺は、花を憎んだ。
花は、兄貴を殺した。
昔の俺は、そう感じてしまったんだ。
その日から、花と関わることをやめた。
それから何年か建ち、
小学生になり、引っ越すことになったので、それ以来、連絡を取ることは
なくなった。