復讐ストーカーゲーム2

 家族の母でさえ無関心な父に、本当はお金のことなど訊ねたくもなかった。だが秋雄の姿を思い浮かべ、意を決した。


「実は言い辛い話なのだけど……お金を借りれないかな? 秋雄さんや信介さんも失踪状態だし、動けるのは私しかいないの」


「……いくらだ?」


低いトーンの父の声に、全額を言い出すには重苦しかった。


「……に、いえ……500万。出来れば――1000万」


「1000万!!!! ……もしや工場が潰れそうなのか? 絵恋! 本当のことを言いなさい!」


ズシリとしたトーンが気迫のあるボイスに変化し、圧倒されそうだった。


「……怒らないで――不渡りを出さないための措置みたい」