「ねぇ憂梧くん?」


「んっ?」


晴奈ちゃんと五回目のデートを終えた帰り道。


不意に晴奈ちゃんの長い指が俺の指に絡められる。
こうして所謂恋人つなぎって形でたびたび手を握って来るけど……。

ホントに男性経験がないのか疑わしいくらい積極的で、俺的にはこういうのは気後れしてしまう。


雨花なんて最初は頭撫でただけで体が強張ってたもんな。


……なんて。
自分が利用しようとしてた女の子のことを思い出すなんて俺はどうかしてる。


これもやっぱり罪悪感のせいなのかな……。


脳内でひとりごちていた俺にぐっと体を寄せ、


「今度の土曜日、おうちに遊び行ってもいい?」


こう言って首を傾げてみせる晴奈ちゃんに、頭の中に蘇ったのは雨花とDVDを見たときのことだった。