画面からデカイ悲鳴とかが聞こえると、そのたびにちっこい体がびくってなっててなんか気の毒っていうか……ほっとけなくなる。


だから、


「雨花」


「えっ?」


「こっちおいで」


「わっ!!」


ギュッと硬くなった雨花の腕を取って、胡坐をかいてた俺の前に引き寄せて座らせた。


いきなり前に座らせられた雨花はビックリしたように体をひねらせて俺の方を見上げて、何か言いたげに口をパクパクさせてるのが金魚みたいで面白い。


「怖いシーンになったら後ろから目隠ししてあげるから」


だから安心させるようにニッと笑って見せたけど、雨花は顔を真っ赤にして余計に体を縮こまらせている始末。
これは怖いっていうより、緊張して恥ずかしいって感じだな。


なんつーか……意地らしくて可愛い。


そう思ったら、目の前のちっこい背中を両手でふわっと抱きしめたい衝動に駆られる……っていうか、咄嗟に抱きしめてしまった。