心配そうな雨花にどう答えようか悩む間もなく。
「姉ちゃんの作ったスープが不味くて固まってたんじゃねぇの?」
「今日のスープは大丈夫なはずよ。お母さんが味見したから」
「失礼なこと言わないでよっ」
雫樹の軽口や母親のフォローになってないフォローに、さっきまで心配そうだった雨花が唇を尖らせて怒っている。
「スープ美味いよ。この間のクッキーも美味かったし」
だからにこっと笑ってまた食事の手を動かしてさっきのフォローを入れたら、
「雨花ちゃん三回作り直したもんね。あのクッキー」
「ちょっと風芽!」
珍しく慌てた雨花があわあわと風芽に向かって首を振って制止したけどもう遅い。
「そうそう。最初のヤツなんか石みたいにカチカチだったんだぞ」
「勉強はそれなりに出来るのに、手先は不器用なのよね~」
それを呼び水に家族から思ってもいなかったネタばらしをされてしまい、雨花はしおしおと俯いて真っ赤になってしまった。

