次。
また。
雨花と本気で付き合ってるなら、二人のこの言葉に躊躇いなく頷けたんだと思う。
急に黙り込んでしまった俺を、雫樹も風芽も不思議そうに見つめている。
ここで嘘でも頷いて見せればきっと二人は喜んでくれるんだってわかってるのに……何故かそれが出来なかった。
「ご飯出来たわよ~」
そこへちょうどキッチンから雨花の母親の声がして、
「あー腹減った!」
「憂梧は僕の隣ね」
二人の意識はあっさりとご飯の方へと切り替えられた。
だから俺も風芽に手を引かれてダイニングのテーブルにつくことに意識を集中させる。
……じゃないと雫樹と風芽を見てて浮かんだ罪悪感に気付いてしまいそうだったから。
俺はそれにまた慌てて蓋をした。

