「憂梧は風芽とチームな!」
「もぉっ! 年上なんだから呼び捨てしないの!」
「あはは。良いって」
雫樹に差し出されたゲームのコントローラーを受け取りながら、さっきから困りっぱなしの雨花に頷いて見せた。
子どもに呼び捨てにされたり、一緒にゲームしたりなんて……今までの生活の中じゃ味わえないことだし、正直新鮮で楽しい。
「雨花~支度手伝って~」
「う、うん! ……二人とも憂梧くんに迷惑かけちゃ駄目だからねっ」
テレビの画面に釘付けの弟たちに念押しして、雨花は母親の待つキッチンの方へと慌てて踵を返していった。

