「うわ~! 姉ちゃんの彼氏だ!」
「大きい! 2メートルある?」
雨花の家に着くなり。
そっくりの顔した大きいのと小さいのがリビングで待ち構えていて、近づいた足元から俺を見上げながらわーわーとわめき始めた。
なんかまたすごいのが出てきた……。
これまた雨花の弟たちとは思えないような勢いだな。
その威勢のよさに圧倒されてる俺から買い物袋を受け取り、
「こらこら! 雫樹(しずき)風芽(ふうが)ちゃんとご挨拶しなさいっ」
二人に挨拶するように促してキッチンへといそいそと入っていった。
「俺は四年」
「風芽は一年!」
「なぁ~ご飯出来るまでゲームしようぜー」
なんともシンプルな挨拶というか自己紹介が終わるや否や。
雫樹は俺の手を引っ張りながらリビングにある大きなテレビの前まで誘っていく。
「憂梧くんごめんね」
母親に負けず劣らずの勢いのある弟たちに、またしても雨花が申し訳なさそうに眉をハの字にさせている。

