俺が雨花にプレゼントをした数日後。
「じゃーん!」
昼休みになるなり。
俺の机に集まった航平と汰一に待ってましたと言わんばかりに、机のど真ん中に可愛らしい花柄の紙製の小箱を置いて見せた。
「憂梧ってば、いつの間にそんな少女趣味になったの?」
「俺の趣味じゃねぇよっ」
「わかってるって。例の雨花ちゃんに貰ったんだろ? よかったなぁ~憂梧」
わかってて冗談で流そうとする航平に、生温かい笑顔を浮かべる汰一。
この間あげたブックカバーのお礼だと言って、今朝雨花がくれた小箱の中には手作りのクッキーが入っていた。
それをこうしてわざわざからかわれるのを承知でコイツらの前に出したのには訳がある。

