思わず面食らってしまった俺の反応で自分のリアクションの大きさに気付いたのか。


「あっ……ごめん、嬉しくてつい大きい声になっちゃった」


謝りながら今度は恥ずかしそうな照れ笑いを浮かべてる。


そして、


「実はわたし将来、人に何かを教える仕事をしたいなぁって思ってて。……でも、家族とか友達はわたしの性格が大人しいから向いてないって言われてたから」


勉強以外のこと、それも自分の話を一生懸命説明し始める姿がなんか新鮮だった。


今まで自分の話、したことないもんな。


なんて、小西さんの話を聞きながらぼんやりと思ってた俺に、


「だから今、若菜くんが褒めてくれたのが嬉しくて」


素直な感情がこもった言葉と笑顔が向けられて……なんか、こう胸の中がムズムズする。