ラスト・ラブ~私が愛したもの~

すると教室の前に翔也君がいた。




「あ、ちょっと加奈ちゃん…!」




あたしは翔也君の言葉を無視して胡桃を引っ張った。




ごめん翔也君これも胡桃を守るためなの。




ほんとにごめんなさい。




青山君が後ろからあたしの背中をじっと見ているのに気付かず、あたしは早足で歩いた。




―――……




しばらくしていつの間にかあたしと胡桃は学校近くの商店街にたどり着いた。




「ちょっと加奈青山君をなんでシカトするの?せっかく遊べるチャンスだったのに」




「やっぱり青山君とあたしじゃ住む世界が違うし、他の女の子といたほうがいいんだよ♪」




ほんとのことなんか言えるはずもなく、あたしは胡桃に嘘をついてしまった。




ごめん胡桃。これも胡桃を守るためなの。




「加奈はそれでいいの?昨日青山君といて楽しかったんじゃないの?自分の気持ちに素直になりなよ」




「楽しかったけどやっぱり他の女子から冷やかされるのやだし諦めるよ♪そんな話よりゲーセンでプリクラ撮ろう♪早く早く♪」




あたしはなんとか誤魔化して胡桃を引っ張った。