しばらくしてお父さんが帰ってきた。
「おい加奈。ひとみは?」
ひとみというのはあたしのお母さんの名前だ。
「出かけるって…友達と食事行ったよ」
「また夜遊びか…!!全くろくに家事もしないで
どこほっつき歩いてんだよ!俺は一日中汗水かいて
働いてるんだぞ!!冗談じゃねぇよったく…!」
「ねぇお父さん。お母さんと離婚するの?」
お父さんは不機嫌顔で答えた。
「さあな。おそらくそうなるだろうな。
ああ心配すんな加奈は俺が引き取るから。
俺の大事な娘をあいつに渡してたまるか!」
お父さん…そんなにあたしの事想っててくれてたんだ…
やっぱりお父さんはあたしが幼いころと変わらず
いざとなったらあたしを守ってくれる。

