姐御な私と無口なアイツ。


「……本当は朝から辛かったんだろ。書類なら俺が預かったし、数学なら後からでも受けられるだろ。ノートなら見せてやるし」


「……な、んで……」


なんで、朝から辛かったことも、風邪を押して学校に来た理由も、涼介が知ってるの。


「お前が考えることなんてわかるんだよ」


涼介。


こんな涼介の目、知らない──。


「苦しいなら苦しいって言え。辛いなら辛いって言え。俺じゃなくても良いから、頼れ……無理すんな……」


絞り出すような声が、私の心を掠めとる。


涼介の瞳に、キュッ、と、心臓が音をたてたのは、熱のせいか、それとも……。


いつも無口なはずの涼介の口は閉まることなく、止まらずに言葉を紡ぎだす。