「よろしくね、綾瀬くん」
高校三年生、最初で最後の席替えをしました。
綾瀬くんとは3年間同じクラスだったけど、一回も話したことないし席も隣になったことないんだよね。
「うん、よろしく、栞ちゃん」
あ、私の名前覚えててくれたんだ。
綾瀬くんは真っ黒の髪の毛でピシッと制服を着こなしてて、真面目な生徒なんだ。
学年一位の秀才、運動もできる。
女の子にモテるのもわかる。
「うわっ、最悪!栞と席ちけぇのかよ!」
綾瀬くんの整った顔を見ながら納得すると、聞き覚えのある嫌~な声。
「うわっとは何よ!」
キッと睨みつけたコイツは、問題児の賢汰。
名前に賢いって入ってるけど銀髪でピアスあけてだらしない制服。
顔は整ったほうだと思うけど、モテない。
性格の問題だね。
「おーい、全部口に出てんぞコラ」
睨み返してくる賢汰。
ぜーんぜん怖くない。