さらに、宇佐美先生が外部からトランペット奏者として現在も活躍している木村先生を招いて練習をした。
木村先生は、宇佐美先生と同じくらい厳しい先生で、宇佐美先生とは違う視点から指導してくださった。
そしてとうとうやってきた朝日コンクール。
チューニングなどで、前の学校の演奏を聴いていなかったせいか、緊張はしなかった。
私と先輩がサックスでソリを吹く目立つ所でも、自然と指が動き、私はその動きに身を任せた。
演奏していて、普通は緊張しているはずなのに私は緊張しておらず、音楽に心地よく酔いしれていた。
ずっとそこに漂っていたいと思った。
曲が終盤に差し掛かる。
最後のクラリネットの細かい音符。
木村先生はリズム感を取るため、文字を当てはめてみるといい、と言って適当に当てはめ、「焼肉定食焼肉定食だ!!」と言っていたのが思い出される。
焼肉定食焼肉定食だ........ダカダカダン!!
私は心の中でそう言った。
ダカダカダン!!の後で、宇佐美先生の指揮がふっと止まる。



