「熱っ…」



昼食の時間になって
友達の澪とお弁当を食べていたら、
頬に熱が走った。



「コレやるよ」



視線を横に向けると、そこには
悪戯に笑うオオカミくんがいた。



「…ココア?」
「自販機で当たったから」
「あ、ありがと」



ココアを受け取ってお礼を言うと
オオカミくんは隣の席にドカッと座った。

それと同時に、澪がチョイチョイと
私に手招きをする。



「何?」
「良い事教えてあげよっか?」
「良い事?」



静かに耳を傾けると、澪は小声で



「うちの学校の自販機、
当たりとかないんだよ」



と、満面の笑みでそう言った。