「えっろ」 「ちょっと!ホントに…授業中…」 そう言うと、オオカミくんは意外にも パッと手を離した。 不思議そうに彼を見つめていたら オオカミくんが口角をあげた。 「うん。だからコレ以上はやってあげない」 まるで、私が求めていたかのように 言うとオオカミくんは鼻歌を歌い出した。 気分屋なんだろうか。この人は。 「…何なの」 正面を向いた彼の横顔は とても綺麗なのに。 性格はどうしてこんなにも 捻じ曲がっているのだろう。 何て溜息をついて、そんな事を思った。