違う

揺れたのは視界ではなく、ヒヨリだった

ヒヨリは俺に覆い被さる様に倒れた

「おい!」

気付けばさっきまでの激痛と傷は消えて居た

「大丈夫か?ヒヨリ!」

息の荒いヒヨリの肩を揺する

「…う……」

ヒヨリは能力を使いすぎるといつもこうなる

毎度心配させやがって

呆れる

「も少し自分を大切にしろ」

俺は腰と足に腕を廻し、抱き上げた

いつも思うが、格闘術が優れているのにどうしてこんなに軽いんだろう

そんな事を考えながらヒヨリを部屋に連れてった