永遠に思える蜃気楼

ライフルと爆薬を少し携えて

ただ独り敵陣地に取り残された

仲間は敵に寝返るか死んだ

気配に怯える日々

彼は何故ここから私をとらないのか

絶望的な悲しみが森の中にある

埃っぽさがより惨めなものを感じさせ

喉の乾きに物音が身を突き刺すように

しみた

人として生活したのが遥か昔に感じたが

1ヶ月もたってないだろう

なんの間違いも犯さなかった

世界がただ私ひとりを壁に閉じ込め拒絶した

まるでカフカの【変身】

ひたすら座り込み彼が来るのを待った

赦しを求め敵さえ愛したけれど

彼は何もしてはくれなかった

死ぬ日はいつなのか

何故この場所から彼は私をとらないのか

私は遥か昔に人間として生活していた

ささやかな素朴な喜びに充ちた生活をしていた

気を抜いていた私が悪いのか

今はそうとしか思えなかった

けれど

宗教の神は私を愛しはしなかった