落ちこぼれプリンセス

彼女たちはきゃっ!っと小さな声をあげて、今までのことが嘘のように顔を真っ赤にして黙ってしまった。

まさみが私に目で尋ねる。

「あのね、みんなまさみが…」
そこまで言うと、キャー!っとみんなで私の口を押さえにきた。

幾つもの手に口を(鼻まで一緒に)塞がれて、呼吸も出来なくなった私は、苦しい!のアピールのために彼女たちの腕を叩いた。

「わっ!ごめんなさい神城さん。」「大丈夫?」と本当に申し訳なさそうに言う彼女たちを見ていたら、まだ少し苦しかったけど自然と笑顔になれた。

すると唐突にまさみが、
「『るみな』で良いわよ。私のことも『まさみ』って呼んで?」
えっ!でもぉ…。とモジモジする子たちに、
「ねっ、その方がよりお友達になれた感じがして、私たちも嬉しいな。」
語尾にハートマークでも付きそうに言うと、にっこりと笑った。
彼女たちが声を揃えて「はいっっ!」と返事をすると、まさみは、
「ありがとう!あやかさん、かなえさん、さくらさん、たまきさん。また寮でもお話しましょうね。」
と、そこにいた子たちの名前を呼んでみせた。

この学校に来てから、まだ一週間程度なのに、もう名前覚えたんだ!私はただびっくりしただけだけど、呼ばれた子たちは凄く嬉しそうに「じゃあ、また寮で。」と、またキャアキャアと笑いながら去って行った。