落ちこぼれプリンセス

「だけどルクサールの人たちがいない所でだけだからね。」

「分かってるよ。」
まさみは使用人の娘であるものの、私と対等な口を利き接していた事で、他の使用人たちから色々と嫌がらせをされていた。

けれど、まさみが私達に言いつけたり、泣きつくことも無かった。

私も何も言わなかった。

非常に負けず嫌いな彼女が、それを望むとは思わないし、なにより主従関係なんて必要無いことは、私達自身がよく分かっていた。

だからこそ、こちらに来てからのまさみの態度に、寂しさを感じていたのも事実だった。