「こっち向いてください、先輩、」




女の人にルーズな日野先輩は所謂"遊び人"。
関係が絶えたことがないらしい彼は、一部では冷酷非道で有名だ。

最高十五股の先輩。
そんな最低な人だけど、私は知ってる。


彼が、ただ酷いだけじゃないってこと。





「ちいいいいなあああああ!」

「うわ!どうしたのヨリちゃん顔凄いよ!」

「黙らっしゃい!そんなことより千夏(ちなつ)!佐伯先生が呼んでるよ!」

「え、あ、佐伯先生が?多分コンクールのことだなあ。行ってくる!」

「佐伯先生にお呼び出しもらうなんて羨ましいなあ!行ってこい!」


そう言って親友のヨリちゃんに送り出してもらった私は、一時間目が始まる五分前だけど担任の佐伯先生のいる職員室を目指す。

佐伯先生は生物担当のイケメンさん。
ここの学校ではなかなかの有名人であり、なんとあの佐伯先輩とご兄弟という仲なのだ。
兄弟揃って美形だから、ファンクラブまでできてしまっているほど。


それにしてもヨリちゃん羨ましがってたな…佐伯先生大好きだもんね。