「えっと、じゃあ。ん~、何決めるんだ?」
少々焦る僕。

「あ、あの。いつするんですか?妖退治………。」
紫鬼から質問があった。

そっか。行く日決めてなかったもんな。

「えっと、早い方がいいと思うしなぁ。」
迷いぎみに答える僕。

「明日はどうだ?」
僕の前に座る一人の遥が案を出す。

「明日……か。紫鬼は用事とかないか?」
僕に予定はないので紫鬼に確認をとる。

「えっと、多分大丈夫ですよ?まだ友達作ってませんし。」
あれ?最後にすごく寂しいこと言ったような………(^-^;

まぁ、僕がそんなことを言えるはずないけど←友達(?)紫鬼と遥のみ

はぁ、改めて考えると僕って寂しいな。

「でも、声はかけられましたよ。」
続ける紫鬼。

「えっと。男の子達に………好きですって声かけられました。」
当たり前のような顔で言う。

「いやいや!それはもぅ声かけるなんてレベルじゃないよ!!告白って言うんだよ、それはさ!!」

………はぁ。

突っ込まないように気を付けてるのになぁ………。

やっぱり。


遥が笑ってる。

もぅ慣れるよ。


それにしても、あれ?紫鬼も笑ってる……………?

「紫鬼?どうしたの?」
聞くべきだよね。この状況は。

だって、おかしいところなんて見当たらないもの。

「え?あ、えっと、質問いいですか?クク………あの、先輩もしかして羨ましいんですか………」
「いや、全然。」
笑いをこらえながら言ってくる紫鬼に即答する。

だって、本気で羨ましくないし。

あ、ここからはさすがに話が、ずれすぎるか……(笑)

戻そう。


「え~、んっと、じゃあ退治は明日ってことで、集合はここね。」
なかなか話が進まないなぁ。


「リーダーは黒鬼先輩ですよね?」
確認のように聞いてくる。

黒鬼先輩…………か。

「あ、あぁ、別にいいけど。それよりさぁ、その黒鬼って呼ぶのやめてもらえないかな?」
いや、とかじゃないけど。その名前はあまり好きになれない。

僕は正直実家は嫌い。

だって、皆表だけだから。
表面だけ僕を敬って、裏では妬みや悔しさをこぼしている。

そんな生活もう、さんざんだから。

思い出したくないから、

「……先輩?どうかしました?顔色が良くないようですが。」
僕の顔をながめて心配そうに聞いてきた。

そんなに顔に出てたのか。

この事を考えるのは止めよう。
そして僕は紫鬼に言う。

「なんでもないよ。………真雄…先輩でいいよ。」
自分で自分を先輩と呼ぶのは気が退ける。

変な感じだ。

「……真雄…先輩ですか。はい。分かりました。」
納得したように頷く。

「俺は、どう呼んでくれるの?」
遥が話に入ってきた。

「えぇと、ん~、遥さん?」
紫鬼が迷いつつ答えた。

それに遥も納得したようだ。

「あ、もうこんな時間。」
紫鬼が言うと僕と遥は時計の方を見た。

時計は午後6時40分を指していた。

確かにそろそろ帰らないとな。

「よし、じゃあまた明日だな、」
そう言い、僕は椅子を立つ。

僕が立つと遥たちも立った。

「では、失礼します。」
紫鬼が一礼して部室を出た。

「じゃあな。」
次は遥が出ていった。

部室には僕一人になった。

「ん~………僕も帰るか。」
ボソッと呟く。

そして、僕は部室を後にした。