鬼セカイ




「どうして殺さないんですか?」
彼女が突然戦闘態勢をといて聞いてきた。

「は?」
質問の意味がわからない。


「ですから、何故姉さんは殺して私は殺さないんですか?と、聞いているんです。」

なんだ?こいつは、殺して欲しいのか?



「うるさいよ。君こそ僕を殺すんじゃなかったの?」
そして、冷たく質問する。

「あはは。そうでしたね。」
そう言うと彼女は再び戦闘態勢になる。

「あぁ、」
そう 答えると彼女が走り出した。

短剣で斬りかってくる。
右、左、また右………

次の行動が読めてしまう。

だから、あっさり避ける。


そして、今度は僕が彼女の横腹を蹴る。

彼女は避けられない。

痛みに顔を歪めている。

それはさっきより強く蹴ったからだ。

今度は着地して少し滑る。

「はぁはぁ、ゲホッ」
そういって息をきらす。

「なんだ?短剣を使ってその程度か?」
バカにしたように聞いてみる。

「……………そんなわけないじゃないですか。」
そうは聞こえない。

「じゃあ、僕に傷の一つでもつけてみろっての。」
無理だと思う。

「ははは。分かりました。…………………お望みならいたしましょう。」

すると彼女はいきなり自分の短剣で、自分の手を切った。

「んっ…………」
と、すこし痛そうな声を出す。

「なっ…………な、何してんだよ。」
分からなかった。
だから、訪ねた。

「……………………………………。」
答えない。

「おい、」

だが、彼女は言葉を無視して血をだす。

驚いた。
彼女の血が形をかえた。

蛇になったのだ。五匹の蛇に。


「な、何だよ、それ。」
驚きを隠せず訪ねた。

「私の……………力です。」

そう言うと彼女は五匹の蛇を腕に巻き付けた。

彼女の顔は笑顔になった。