すこしずつ、日が昇り始めてきた。 もう、時間はそんなに長くない。 「昨日ね、十香さんとはなしてきたの。 やっぱりあの人はすごいよ。 あたし、もっと尊敬しちゃったもん、 それにね、これ。」 あたしはポケットから昨日もらったチケットを取り出す。 「それ・・・」 悠斗が心当たりがあるかのようにつぶやく。 「昨日、十香さんにもらった。 あの人、これ渡してまであたしにどんな選択をしてもかまわないっていったんだよ?」