「佳歩ちゃん?」



そんなことを考えていると近くから聞いたことのある声がした。



「あっ、十香さん」



声の方を見てみると大学に行く途中なのかバッグを持った十香さんがいた。



「通学途中ですか?」


「まぁ、そんなとこかなっ


ねぇ佳歩ちゃん、どっかで話さない?」


そのあと十香さんは「カフェとかでどう?行きつけあるけど」と付け足した。



「えっ、いいんですか?」


「全然大丈夫だよっ


今日は出席しないといけない講義とかはないしっ」


「あっ、じゃあ一回着替えてから行きますんで悠斗んちまで一緒に行きます?」



そう言うと十香さんは一瞬悲しそうな顔をした。


でも、葬儀服じゃあ流石に行けないし・・・


言わなきゃよかったって思っていると十香さんはいつもの明るい笑顔で「うんっ」と頷いてくれた。