俺にもやっと、佳歩以外の人を、愛することができる。


それが、十香だったんだ。





「う…そ?」





十香は、泣いていた。


静かに、その綺麗な顔に一筋の涙を流していた。



俺はそんな彼女をそっと抱きしめ



「好きだよ」






二年ぶりに口にする言葉を、"十香"に向けて言った。