俺たちは互いに小さく笑いあった。 今まで何十時間も同じ時間をこのバスの中で一緒にすごしてきた彼女と、こんなささいなことで関わりをもつことになるなんて。 『いつもこのバスに乗ってる人ですよね?』 「はい あなたも、いつも乗ってますよね」 単純に、この時は嬉しかった。 今まで話したこともない彼女のなかに"俺゚という認識があったことが。 「はい あと、あなたじゃなくて悠斗で大丈夫です なんかいわれなれない感じが苦手なんで」 『じゃ、悠斗くんね あたしは十香でよろしく。』