少し歩いて着いた場所は、懐かしい、あの”海”だった。 一目見ると、昨日までいた海に見間違えるほどそっくりだけど、やっぱりここはあたしの思い出がたくさん詰まったとても、とても大きな海だった。 「ここの海、すっごく久しぶり 昔はよく悠斗と来てたよね」 あたしは砂浜の方へ降りていく。 海に近づくにつれ、月明かりに照らされた波と音が強く聞こえてそれが心地よい。 「そうだな もう、佳歩がいなくなって2年もたつんだよな」