海に着いてからいつもの堤防へと向かうと今日はあの場所にたった一日だけ一緒にいただけで見慣れてしまった彼女の後ろ姿が見えた。
後ろ姿だけなのに見とれてしまうほど美しい彼女は今日もまた、あの日のようにただ、ひたすらに海を見つめている。
ただ今日はこの前とは違い、彼女は堤防には座らず、そこに体重を
預けるような形で手を前に置き海を見ていた。
サクラに近づくも彼女は一切こちらに気づく気配はなく少しそれにイラついてしまう。
君の瞳には一体、何が映ってる?
あまりにも切なげに海を見つめる彼女を見てると初めてあった日のことを思いだす。
あの日もサクラは、おなじような表情をしていた。
「おせーよ。
何日待たせる気だボケ。」
久しぶりに会えたからだろうか。
心臓の動きがいつもより早いし思ってもないことを口に出してしまった。
「優叶…
なん…で?」

