「強くなんかないねぇよ。
それに、俺からしたら泣きながらも一生懸命悩んで、それでも前に進もうとしてるお前の方が俺より何倍も強いと思う。」
まただ・・・。
優叶はそうやっていつもあたしを励ましてくれる。
その声を聞くたびに落ち着く自分がいるし甘えようとする自分がいる。
「で、お前はどうしたの?」
さすが優叶、察しが早い。
優叶が聞いているのはきっと”お前ならどうするの”じゃなくて”お前自身どうしたの”という意味が込められているんだろう。
「やっぱり優叶にはなんでもバレちゃうなぁ」
あたしはそう言って無邪気に笑ってみせた。
そして、
「あたしは、返信したよ。」
まるでこの時を待ってたかのようにさっきまで吹いていた風も、鳥の鳴き声さえもやんで、この空間にはあたしの声だけが響いた。

