「は、い…」
警察に聞かれることを思うと憂鬱だが、知っていることなんてあまりない。
席を立って、視聴覚室を出る。
ふと振り返ると、どのクラスメートも暗い顔をしていて、いきなり起こったこの出来事に、未だ何が起こったのかわからない感じだ。
視聴覚室を出て、右側にある使われていない教室に入ろうとした。
廊下は、飛び散った血でまだらに赤く染まっている。
私の服も、縋り付いた時に付いた翔吾の血と、降り注いだ梨沙の血で赤く染まっている。
「失礼します」
コンコンとノックして、「どうぞ」という言葉で中に入る。

