私は、その一連の梨沙の行動を、ただ見てることしか出来なかった。
周りの生徒たちも同じ。
「……誰か、先生呼んでこなくちゃ!」
幾分か経ち、ようやく落ち着きを取り戻した女子生徒が、ふらふらと立ち上がって呟く。
私たちのクラス、8組は、校舎の教室配置の関係上、他のクラスとは違う階にあるため、あまり騒いでも他の先生が来ることはない。
そして今、私たちをまとめるべき担任は、確認はしていないが物言わぬ死体のはずだ。
だから、誰かが先生を呼びに行かなければならない。
「おれが…行ってくる」
1人の男子生徒が立ち上がって、今から誰も教室を出ないように、と言い渡して教室を出て行った。