「梨沙…?」 今までに見たことのない梨沙で、今までに聞いたことのない梨沙の好きな人。 きっと、優しい友人のこと、わざわざ言わないでおいてくれたんだ…。 なんて、感傷に浸っている場合じゃない。 これは、恋を取るか友情を取るか、ではない。 そんなレベルの話じゃないのだから。 ズルズル… ゴン… ガン… オノが、床にを引きずられ、教室にある沢山の机に当たる。 誰も、声を発さない。 殺されることを、目をつけられることを怖がっている。 私だって怖い。 でもね、 「翔吾は、渡せない」