頭が、無い?
頭が…無い。
頭がなければ生きて行くことなんで出来るわけがない。
なら…サヤと呼ばれたあの女子生徒は、死んだ?
そして、この異様な状況で、廊下で絶叫をあげたきり戻って来ない担任も、死んだ?
『死』なんて、身近であって身近でないもの。
『生』と裏表にあって、けれどそんなにも早く裏返ったりしないもの。
それが、今は何よりも身近に感じた。
それと同時に、どう足掻いても逃げられないものだと悟った。
「…うふふふふ…うふふ」
廊下で、梨沙が笑ってる。
なんで梨沙だと分かったか?
ただの勘。
当たっていて欲しくない。
だって、それが梨沙ならば、担任を、サヤを殺したのは梨沙だということになるのだから。