あのヘッドホン? ……いきなり聞かれた私は、考えて、ようやく思い至った。 いつもは首にかけてるヘッドホンが、ない。 「…あれ?どこに置いたっけ…」 「美紅らしくないな」 心配そうな顔で言われ、自分でもそうだと思う。 「まぁ、いっか」 ヘッドホン…今までは、ないと不安になるぐらいだったのに、今じゃどちらかというと怖い。 いや、怖い、という漠然とした感情はない。 ただ、今はつけたいと思わない。 「それより、早く行こうよ」