携帯は、実はもう一度電源を落としてタンスの中に詰め込んできた。 「おはよ、美紅」 愛おしそうに目を細めて、私を見る翔吾の目は優しい。 「おはよ!翔吾!」 「今日も元気だなぁ」 「ん⁈翔吾がおじいさん発言してる⁉︎」 しみじみ、とした感じで言うから、思わず突っ込む。 「そうか、おじいさんか…おじいさん⁉︎失礼な!」 「おぉ、見事な乗り突っ込み」 これが、『日常』なんだと。 これが、『普通』なんだと。 確かに感じた。 「ほら、遅刻すんだろ。行くぞ」 「そういえば……あのヘッドホンは?」