「美紅……どうしたの?あたしがずっと怖がってたのは……男の人だよ?」 え? はい? どういう…… 「どういうこと⁉︎」 男の人? でも、私に見えてるのは、女。 「美紅?」 「ごめん、梨沙。私帰る」 これ以上、ここにいたくない。 これ以上、女を見ていたくない。 これ以上、厄介なことを知りたくない。 「えっ⁉︎待ってよ!帰らないで!」 梨沙の制止の言葉も聞かずに、私は走った。 学校を出て、道を走る。 一刻も早く、女から離れたい。