そんなことを考えて、一時間目の用意をするために机に手を入れた。
カシャン…
薄いプラスチックケースが手に当たったみたいな感触と音。
もっと具体的に言うと、CDケースが手に当たったみたいな…。
取り出すと…
「うそ!?」
そこにあるのは、アイノウタ。
そして、透明のケースに反射して、虚ろな目をした、女性の顔が写ってる。
ハッとして、真後ろを見るけど、誰もいない。
当たり前だ。
だって、私は一番後ろの席にいるのだから。
まさか。
まさか?
そんなこと。
視線を戻して、CDを見る。
もう、写ってない。

