キーンコーンカーンコーン…
もう一度聞こうとした私の言葉は口から出る前に、チャイムの音でかき消される。
音で、思い出す。
ここが学校であることを。
ガラガラ…
「ほらー、チャイムなったぞー?さっさと席座れー」
チャイムがなり終わって、担任が入ってくる。
岡澤だったか、岡沢だったか……そこら辺の名前の先生。
「いつまで立ってるんだー?鮎川、安井」
気が付けば立ってるのは私と梨沙だけで、他はみんな座っている。
「あっ、すいません」
別に謝る場面でもないのに謝ってしまうのはきっと、日本人特有の心理。
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