梨沙の視線の先を追って、私もそちらを見る。 …… 何もない。 でも、視線を戻して梨沙を見れば、やっぱり梨沙はそちらを見て小刻みに震えてる。 「梨沙?」 「美紅、美紅には見えないの…?あれが…」 何のことなのか。 私には何も見えない。 「なに?何もいないよ?」 「い、いるじゃない……そこに……~が」 梨沙の言葉は最後まで聞き取れず、何がいるのか結局わからない。