真っ赤に充血した目でこちらを見つめ、叫んでる梨沙は、私の見たことのない梨沙だ。
「り、さ…………?」
いきなりのことに、私はもちろん、私の叫んでる声に注目していた他の生徒たちも呆然とする。
「…………?あ、おはよ。美紅」
フッと。
本当に突然、梨沙の目が元に戻って、普通になった。
まるで、さっき起こったことを何も覚えてないかのように、あっさりと元の梨沙に戻った。
「梨沙……さっきのこと、覚えてる?」
「へ?さっきのこと?さっきって、何かしてたっけ?」
……やっぱり、覚えていないようだった。
メニュー