「梨沙、おは………」
梨沙の名前を呼んで、おはようと言いかけてやめた。
だって、梨沙の様子がおかしい。
「~♪死んで…♪~欲しい~♪……あなたが……♪」
明らかに、おかしい。
「梨沙⁉︎」
途切れ途切れに聴こえるのは、まさか………『アイノウタ』……?
そんなわけ……ないと、言い切れない。
梨沙は、昨日の電話の時に少し様子がおかしかった。
まさか。まさか。まさか。
じゃあ、梨沙が歌っているのを聴いた私は、どうなるの?
あれ?自分のことを心配してしまう…。
梨沙は友達なのに、一番に自分の心配をした自分に、幻滅してしまう。
けれど、自己嫌悪してる場合じゃないよね。
「梨沙!梨沙⁈」

