突き飛ばされた勢いを、全く殺さずに翔吾は後ろへとよたよた歩いていく。 「翔吾!」 伸ばした手は、翔吾に届いたはずだった。 ただし、翔吾も、伸ばしてくれていたら。 「美紅、いんだよ。これで。美紅を、殺したくないからさ。美紅、生きろよ」 最後の笑顔は、何時も私に向けてくれる笑顔だった。 カクン、と地面を踏んでいた足が空を切って、バランスを崩した翔吾は、そのまま地面へと真っ逆さまに落ちた。 「しょう、ごぉぉぉー!」