家を出ると、空はどんよりとした黒。 灰色を通り越した暗さは、夜のようだ。 全く日が差さない昼間は、憂鬱で仕方ない。 一応持ってきた傘をコンコンと地面に突きながら、バス停に向かう。 翔吾に会ったら聞きたいことを纏めがなら、バスを待った。 何度乗っても人の乗っていない、繁盛してるのか怪しいバスに乗りながら、窓の外を見つめる。 外の暗さによって中の景色を反射する窓ガラスには、アイが写っていない。 どうやって、アイを引き剥がしたの。 それが、今一番聞きたいことだった。