私は、急いで今起こったことを話した。
「だから、絶対に聞いちゃダメ!」
最後にそう締めくくれば、翔吾は呆れたように笑う。
「夢でも見たんじゃねぇの?…でもま、美紅がそう言うなら俺も聴かねぇよ」
まるで、駄々っ子のお願いを聞いたかのような口調に少しだけ不満を持つが、今はそんなことを思ってる場合ではない。
「じゃ、翔吾。梨沙にも電話するから」
「うん。わかった」
電話を切った。
梨沙は、行動力と好奇心の塊でもある。
早く電話をしないと、早く止めないと。
行動してしまうかもしれない。
呪いなんて、存在するかもわからないものを信じてる自分は、おかしいのかもしれない。
それでも、自分の見に起こったこと。
全てが、夢や幻覚、幻聴には思えなかったし、少なからずそういうのを信じてしまう自分がいた。

